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サポートブックを、誰にどこまで共有する?|診断名を書くか、相手ごとの出し分け方

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明るいリビングの木のテーブルで、3つに分けて並べた書類を見比べている女性。手前の1組をめくりながら見ており、横にはスマートフォンと閉じたノートパソコンが置かれている

サポートブックを書いていて、手が止まる欄があります。診断名。検査の結果。家庭のこと。きょうだいのこと。書けば伝わりやすくなる気はする。でも、これはどこまで書いていいものなのか——。

この記事では、誰に、どこまで渡すかをどう決めるかを正面から扱います。これまでの記事(サポートブックの作り方・書き方ガイド担任の先生への伝え方保育園・幼稚園への伝え方放課後等デイサービスへの伝え方)でも一言ずつ触れてきた論点ですが、ここではそこだけを掘ります。

先に結論を書きます。「隠すか、全部見せるか」の二択ではありません。相手ごとに、渡す範囲を変えていい。そしてそれを決めるのは保護者の方(と、お子さん本人)です。これは気持ちの上での話ではなく、制度の側にもそういう前提が組み込まれています。

なお本記事は2026年9月時点で公開されている情報にもとづいています。制度の運用や様式には自治体差・学校差・事業所差があるため、詳細はお住まいの自治体や、通っている学校・園・事業所でご確認ください。

制度の側にも「保護者が決める」前提が入っています

いちばんわかりやすいのが、文部科学省が示している「個別の教育支援計画の参考様式」です。学校が作る計画の、標準的なひな型にあたるものです。

この様式の「支援シート」の末尾には「6.確認欄」という欄があります。そこに置かれているのは、次の2つの文です。

このシートの情報を支援関係者と共有することに同意します。

このシートの情報を進学先等に引き継ぐことに同意します。

注目したいのは、この2つが別々の欄になっていることです。それぞれに日付と保護者氏名を書く欄がついています。つまり「いまの支援者どうしで共有すること」と「次の学校へ引き継ぐこと」は、別の判断として設計されている、ということです。

様式を示した事務連絡(令和3年6月30日)も、引き継ぎについてこう書いています。

その際、個別の教育支援計画には、多くの関係者が関与することから、保護者の同意を事前に得るなど個人情報の適切な取扱いに十分留意することが必要である。

法令の側も同じ向きです。学校教育法施行規則は、特別支援学校の校長が個別の教育支援計画を作るときについて、「当該児童等又はその保護者の意向を踏まえつつ」あらかじめ関係機関等と必要な情報の共有を図らなければならない、と定めています。この規定は、小学校・中学校などの特別支援学級、および通級による指導を受けている児童生徒についても準用されます。

文部科学省の「障害のある子供の教育支援の手引」(令和3年6月)は、就学時に作られる個別の教育支援計画について、さらに直接的です。

したがって作成後は,本人及び保護者の了解を得た上で,着実に就学先に引き継がれていくことが必要である。

「保護者の意向を踏まえつつ」「保護者の同意を事前に得るなど」「本人及び保護者の了解を得た上で」。表現は資料ごとに違いますが、示している向きは同じです。共有の範囲は、保護者に確かめながら決めるものという前提が、制度の文書の側に書かれています。

発達障害者支援法にも、情報の共有について定めた条文があります。そこでは「個人情報の保護に十分配慮しつつ」共有を促進するための措置を講じる、という言い方になっています。共有を進めることと、情報を守ることは、法律の中でも同時に置かれているわけです。どちらか一方に振り切る話ではありません。

書いておくことと、渡すことは別です

ここが、この記事でいちばんお伝えしたいことです。

手元の資料に詳しく書いておくことと、それを誰かに渡すことは、別の行為です。全部書いてあっても、渡すのは一部でかまいません。

これは筆者の考え方ではなく、公的な運用の中で明示されていることでもあります。文部科学省の「発達障害のある児童生徒等への支援に向けた教育・福祉の連携事例集」(令和7年5月)には、札幌市の「サポートファイルさっぽろ」についての記述があり、こう書かれています。

「サポートファイルさっぽろ」を作成することが、直ちに各機関と情報を共有することへの同意にはなっておらず、関係機関への情報共有については、個別に保護者の同意が必要となっている。

同じ事例集は、小学校から中学校への引き継ぎの際にも、このファイルを活用した情報の共有・引き継ぎには保護者の同意が必要になる、と続けています。

書いたこと自体が、共有の同意にはならない。だから、書くときに「これを渡していいか」まで同時に考え込む必要はありません。書くのは書く。渡すかどうかは、渡すときに決める。この2段階に分けておくと、手が止まりにくくなります。

札幌市の案内も、渡し方についてこう書いています。

支援機関にファイルを見せる時には、ページを選んだり、強調したいところをマークするなどで、わかってもらいやすくなります。

ページを選んで見せるのが、公的資料の側で想定されている使い方です。山形県の「やまがたサポートファイル」も「必要なシートを選んでお使いいただけます。」と案内しています。全部渡すことが正解、というわけではありません。

診断名は、書かなくても伝わります

「診断名まで書く必要があるのか」は、いちばん多い問いだと思います。

まず事実として、公的な様式には診断名を書く欄があるものもあります。先の参考様式のプロフィールシートにも「診断名」の項目があります。書くこと自体は、想定された使い方です。

いっぽうで、受け取る側が支援に使うのは、診断名そのものではありません。「保育所保育指針の適用に際しての留意事項について」(平成30年3月30日)は、特別な配慮を要する子どもについて保育所児童保育要録を書くときの注意として、こう述べています。

診断名及び障害の特性のみではなく、その子どもが育ってきた過程について、その子どもの抱える生活上の課題、人との関わりにおける困難等に応じて行われてきた保育における工夫及び配慮を考慮した上で記載すること。

国が園に求めている書き方が、これです。診断名だけでは足りない——だから、育ってきた過程と、そこで効いた工夫・配慮を書く。逆に言えば、その工夫と配慮が書けていれば、伝えたいことは伝わります

ですから、診断名を書くかどうかで迷ったときは、こう考えてみてください。

  • 診断名の代わりになる書き方:「どんな場面で」→「どんな様子になるか」→「どうすると落ち着くか・できるか」。この3点セットは、診断名がなくても支援に直結します
  • 診断名を書いたほうがよい場面:診断名を前提に手続きが動くとき(就学相談、加配や支援体制の相談、福祉サービスの利用、合理的配慮の申し出など)。相手がその情報を使って何かを判断するなら、書いたほうが早く進みます

診断名を書かないことは、隠すことではありません。必要な相手には書き、そうでない相手には書かない。それだけのことです。場面・様子・対応の3点セットの書き方はサポートブックの作り方・書き方ガイドで詳しく扱っています。

「診断はありますか」と聞かれたとき

学校や園から、障がいの状況について尋ねられることがあります。これは配慮を用意するための確認です。文部科学省の対応指針(令和6年1月改正)は、こう明記しています。

合理的配慮を提供等するために必要な範囲で、プライバシーに配慮しつつ障害者に障害の状況等を確認することは、不当な差別的取扱いには当たらない。

聞かれること自体は、選別のためではなく、配慮のための手続きだということです。とはいえ、どこまで答えるかは、そのつど決めてかまいません。「診断名はお伝えしますが、検査の数値は今は控えます」でも、会話は成り立ちます。

相手ごとに、渡す範囲を変えていい

では、どう出し分けるか。基準はひとつです。その相手が、何を判断するために読むのか。判断に使わない情報は、無理に渡さなくて構いません。

渡す相手その人が判断に使うこと渡すとよい範囲の例
学校(担任の先生・特別支援教育コーディネーター)授業・行事・休み時間の進め方、合理的配慮の内容困りやすい場面と、これまで有効だった対応。感覚の特徴。安全に関わること。緊急連絡先。合理的配慮としてお願いしたいこと
保育園・幼稚園1日の生活の流れ、集団の中での過ごし方、体制の相談生活面の様子(食事・睡眠・排せつ・着替え)。好きな遊び。切り替えの工夫。アレルギーや既往
放課後等デイサービスアセスメントと放課後等デイサービス計画の作成学校での様子と家庭での様子の違い。得意なこと・好きなこと。送迎と体調。落ち着くための方法
医療機関診察・相談の材料これまでの経過。家庭と園・学校での様子の違い。困っている場面の具体的な記録
習い事・地域の活動・一時的な預かりその時間を安全に過ごすこと安全に関わること。伝わりやすい声のかけ方。苦手な刺激。困ったときの連絡先。診断名や検査結果は必須ではありません
祖父母・親戚一緒に過ごす時間の見通し落ち着く方法。苦手な音や場所。やってほしいこと・やめてほしいこと。「叱ってほしくない場面」を1つ書くだけでも変わります

表を見ていただくとわかりますが、どの相手にも共通して要るのは「場面と対応」です。そして相手によって不要になっていくのが、経過・検査・診断・家庭の詳細のほうです。詳しく書いた部分から削っていくのではなく、共通部分を軸にして、必要な相手にだけ足す。この向きで考えると迷いません。

なお、学校と事業所の両方に渡すこと自体は、まったく問題ありません。むしろ同じ内容が両方にあるほうが、支援はそろいます。ただし、学校と事業所が直接連絡を取り合うとなると、話は一段変わります。先の事例集には、学校と放課後等デイサービス事業所が情報を交換・共有する際に直接連絡を取れるよう、情報共有に関する保護者の同意書を作り、年度初めに保護者から同意を得るようにしたという自治体の取組が紹介されています。ここでも保護者の判断が入口に置かれています。

とくに慎重に扱いたい情報

渡す範囲を考えるとき、少し立ち止まりたい情報が4種類あります。

1. 診断名・検査結果・病歴・服薬

これらは、法令の上でも特別な位置づけを与えられている情報です。個人情報保護法は、病歴などを含む一部の情報を「要配慮個人情報」と呼び、不当な差別や偏見その他の不利益が生じないよう、その取扱いにとくに配慮を要するものとして区分しています。同法の施行令は、その具体的な中身として「身体障害、知的障害、精神障害(発達障害を含む。)その他の個人情報保護委員会規則で定める心身の機能の障害があること。」を挙げています。

ここで誤解しないでいただきたいのですが、これは保護者の方が誰かに渡すことを制限する規定ではありません。この法律が定めているのは、情報を扱う側(事業者など)が守るべきルールです。要配慮個人情報を取得するには原則としてあらかじめ本人の同意が必要とされていますが、これは受け取る側にかかる義務です。

しかも、個人情報保護委員会のガイドライン(通則編)は、本人が自分で提供した場合についてこう述べています。

個人情報取扱事業者が要配慮個人情報を書面又は口頭等により本人から適正に直接取得する場合は、本人が当該情報を提供したことをもって、当該個人情報取扱事業者が当該情報を取得することについて本人の同意があったものと解される。

つまり、渡すことに特別な手続きが必要なわけではありません。同じガイドラインは、未成年のお子さんが同意の結果を判断できる能力を有していない場合などには、親権者や法定代理人等から同意を得る必要があるとも述べています。渡すかどうかを決める立場に保護者の方が置かれているという構図は、法令の側の前提とも整合しています。

法律から読み取れるのは、「渡してはいけない」ではなく、「これは、渡す先をよく考えるだけの重さがある情報として位置づけられている」ということです。学校や事業所に渡すのは自然なこと。習い事や地域の活動に、検査結果まで渡す必要はたぶんない。その線引きの手がかりになります。

2. 家庭の事情

家族関係、経済的なこと、別居や離婚の経緯など。支援に関係する範囲でだけ書けば十分です。「朝の準備は祖母が担当しています」のように、支援者の動きに関わる部分だけを書けば、背景まで説明しなくても伝わります。

なお、書類に書かれることで困る事情がある場合は、相談していい設計になっています。たとえば先の保育所保育指針の留意事項の通知は、配偶者からの暴力の被害者と同居する子どもについて、要録の記述を通じて就学先の情報が伝わることが懸念される場合があるとして、そうした特別の事情があるときは関係機関等と連携を図りながら適切に情報を取り扱うよう求めています。言い出せば別の取扱いがあるということです。

3. きょうだいのこと

きょうだいの情報は、そのきょうだい自身の情報です。「妹の◯◯が生まれてから」のような、お子さんの様子の説明に必要な範囲を超えて、きょうだいの特性や診断について書く必要はありません。

4. 本人にまだ伝えていないこと

診断のこと、通っている場所の意味、家族のこと。お子さんにまだ話していないことを支援者に伝えるのは、それ自体は問題ありません。ただし、「本人にはまだ伝えていません」というひと言を添えることが大切です。これがないと、支援者が善意で本人に触れてしまうことがあります。逆に書き添えてあれば、支援者は本人の前での言葉を選べます。

「診断名は本人には伝えていないので、本人の前では『得意なこと・苦手なこと』という言い方でお願いします」。この1行が、いちばん効く配慮になることもあります。

園や学校から、勝手に伝わるのでしょうか

「園に話したことは、小学校に伝わってしまうのか」。これも、よく聞かれる問いです。

正確に書きます。制度として引き継がれる書類は、たしかにあります。

  • 指導要録:学校教育法施行規則は、児童等が進学した場合、校長がその指導要録の抄本または写しを作成して進学先の校長に送付しなければならない、と定めています
  • 保育所児童保育要録:先の通知により、就学に際して抄本または写しが就学先の小学校長に送付されます
  • 個別の教育支援計画:参考様式の解説は、進学・進級等の際にはプロフィールシートと支援シートを一体として引き継ぐ想定を示しています

このうち保育所児童保育要録については、通知に踏み込んだ説明があります。私立の保育所は個人情報取扱事業者に当たるため原則として第三者提供に本人の同意が必要になるものの、この要録の送付は法令に基づく場合に該当するため、第三者提供について本人(保護者)の同意は不要であると明記されています。

ここを隠さずに書くのは、そのほうが安心できると思うからです。要録は「園が勝手に送っているもの」ではなく、制度として送ることになっているものです。そして同じ通知は、こう続けています。

保育所児童保育要録の作成に当たっては、保護者との信頼関係を基盤として、保護者の思いを踏まえつつ記載するとともに、その送付について、入所時や懇談会等を通して、保護者に周知しておくことが望ましいこと。

記載は保護者の思いを踏まえつつ、送付は保護者に周知しておくことが望ましい。つまり、保護者が知らないところで完結させる想定ではありません。要録に何が書かれるかが気になるなら、園に聞いていい。それは制度の想定内の行動です。

さらに同じ通知は、要録の枠を超えて園から小学校に支援の情報を共有する場合について、「保護者の意向及び個人情報の取扱いに留意しながら」必要に応じて共有することが考えられる、としています。制度として決まっている引き継ぎの外側では、保護者の意向がはっきりと前に出てくる、ということです。

整理すると、こうなります。

  • 制度として引き継がれるもの(指導要録・保育所児童保育要録):送られます。内容は聞いてかまいません
  • 制度の中でも保護者の意向・同意が入るもの(個別の教育支援計画の共有と引き継ぎ、要録の枠外での情報共有、学校と事業所の直接のやりとり):確かめられます
  • 保護者が渡すもの(サポートブック、手元の資料):範囲を決めるのは保護者の方です

この3層を分けて考えると、「勝手に伝わる」という漠然とした不安が、具体的な確認事項に変わります。なお、就学に向けた相談の場面については、「障害のある子供の教育支援の手引」が、面談に当たっての留意事項として「面談担当者には個人情報に関する守秘義務があることを保護者に伝えておくこと」を挙げています。話す側が不安を抱えたままにならないように、という配慮です。就学前後の書類は就学支援シートの書き方でも扱っています。

本人の気持ちも、いっしょに確かめる

共有範囲を決めるとき、忘れられがちなのが本人の意向です。

文部科学省の対応指針は、合理的配慮について、設置者・学校および本人・保護者により「発達の段階を考慮しつつ」合意形成を図ったうえで提供されることが望ましい、としています。発達障害者支援法も、支援は「その意思決定の支援に配慮しつつ」切れ目なく行われなければならない、と定めています。本人も当事者として想定されているということです。

札幌市の「サポートファイルさっぽろ」の手引きにも、こんな一節があります。

お子さんが自分の気持ちや特徴を書ける年代になった時には、今までのファイルを分け、本人用も用意しましょう。

ファイルを分けるという発想です。年齢が上がってきたら、実際にこう聞いてみるだけで十分です。

  • 「この話、先生に伝えておいてもいい?」
  • 「これは言わないでおこうか」
  • 「自分から言いたい?それとも先に伝えておいたほうが楽?」

すべてを確認する必要はありません。本人が気にしそうなこと1つか2つを聞いておくだけで、渡したあとの安心感が変わります。同じ手引きは、将来お子さんがファイルを見たときに、たくさんの人が自分の成長を見守ってくれていたことがわかる、自分には得意なことがあると感じられるような内容になることを想定して書くことも大切だ、とも述べています。

迷ったときの、3つの目安

ここまでを、実際に手を動かすときの目安に落とします。

1. 安全に関わることは、省かない

アレルギー、発作、パニックのときの対応、ひとりで行ってしまう可能性、緊急連絡先。これらは、相手が誰であっても渡す側です。祖父母でも、1回だけの預かりでも、習い事でも同じです。ここだけは「範囲を絞る」の対象外と決めておくと、迷いが減ります。

2. 相手が判断に使わない情報は、無理に書かない

検査の数値、受診の経緯、家庭の詳しい事情。その相手がそれを読んで何かを変えるのかを考えて、変わらないなら今回は入れなくてよい情報です。「書いていないと不誠実に見えるのでは」と心配になりますが、相手は判断材料を求めているだけで、全部を知りたいわけではありません。

3. 迷ったら、今回は書かない

後から足せます。これがいちばん大事な目安です。関係ができてから追加するほうが、伝わり方もよくなります。逆に、一度渡した情報を「なかったことにする」のは難しい。だから、迷ったときは待つ。それだけで十分です。

渡したあとに足すときの伝え方は、サポートブックの更新のしかたでまとめています。「基本は前回と同じで、1つだけ足しました」と添えるだけで伝わります。

手元の1冊と、渡す1枚

自治体が配布しているサポートファイルは、保護者が保管する前提で作られています。札幌市は「ファイルは、原則的には保護者の方が記録・保管します。」と書き、山形県は「保護者の方、又はご本人が記録・保管するもの」と説明しています。

つまり、手元の1冊は保護者の方のものです。そこには詳しく書いておいて構いません。そして相手に渡すときは、その中から必要なところを選ぶ。この形が、公的資料の側でも想定されている使い方です。

紙で運用する場合は、渡す用のコピーを相手ごとに作るのがいちばん簡単です。学校用、事業所用、預かり用。それぞれ1〜2枚で足ります。全ページをコピーしなくてよいので、かえって手間は減ります。

「わたしのトリセツ」では、項目ごとに公開・非公開を切り替えて共有用のページを作れるので、相手に合わせて渡す範囲を変えることができます。紙で続けている方は、そのまま紙で構いません。相手ごとにコピーを分ける運用は、紙でも十分に成り立ちます。

完璧に決めなくて、大丈夫です

最後に、いちばん伝えたいことを書きます。

共有範囲は、一度決めたら変えられないものではありません。今年は書かなかったことを、来年は書いてもいい。ある先生には伝えて、別の場所には伝えない、でもいい。関係ができてから足す、でいい。

自治体のサポートファイルの案内も、「すべてのシートを埋める必要はありません。」という立場です。埋まっていない前提で設計されている書類なのですから、渡す範囲についても、決めきれていない前提で使ってかまいません

安全に関わることだけは省かない。相手が判断に使わないことは無理に書かない。迷ったら今回は書かない。

この3つだけ持っておけば十分です。あとから足せます。そして、書く範囲を決めているのは制度でも学校でもなく、ずっと見てきた保護者の方です。

参考にした情報

(各リンクの最終確認日: 2026年9月8日。法令・制度・様式は改定されることがあります。また、サポートファイルの有無・名称・様式、書類の引き継ぎや同意確認の運用には自治体差・学校差・園差・事業所差があるため、詳細はお住まいの自治体や、通っている学校・園・事業所でご確認ください。個別の事情についての判断は、就学相談・発達障害者支援センター・自治体の相談窓口などにご相談ください)

よくある質問

サポートブックに診断名は書かないといけませんか?

必須ではありません。公的な様式に診断名の欄があることもありますが、支援の場面で役立つのは、困りやすい場面と有効だった関わり方の具体です。書くかどうかは渡す相手ごとに決めてかまいません。

園に伝えたことは、小学校にも伝わりますか?

保育所児童保育要録や指導要録は、制度として就学先へ送られる仕組みです。通知では、送付について入所時や懇談会等で保護者に周知しておくことが望ましいとされています。一方、自治体のサポートファイルのように保護者が保管する資料は、作成しただけでは共有の同意にはならないとされている例があります。

学校と放課後等デイサービスに、同じものを渡してよいですか?

渡してかまいませんが、同じである必要はありません。相手が何を判断に使うかで必要な粒度が変わるため、共通の土台に、相手ごとに必要なページを足す形が扱いやすくなります。

本人にまだ伝えていないことを、支援者に伝えてよいですか?

安全に関わることは省かないほうが安全です。そのうえで、本人にまだ伝えていない情報であることを添えると、受け取った側も扱いを配慮しやすくなります。発達段階に応じて、本人の気持ちを確かめておくことも大切です。

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