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放課後等デイサービスに、お子さんの特性をどう伝える?|面談・連絡帳で伝えたいこと

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放課後等デイサービスの一室で、保護者とスタッフがテーブルをはさんで話している様子。奥には絵本棚とプレイマットが見える

放課後等デイサービスの利用が決まり、最初の面談の日が近づいてくる。通い先が見つかった 安心と同時に、「何を話せばいいのだろう」という戸惑いが出てくる方は少なくありません。 発達障がいのあるお子さんの場合、伝えたいことが多すぎて、かえって絞れないという声も よく聞きます。

じつは、このとき事業所の側も情報を求めています。放課後等デイサービスには、お子さんの 状況を把握して支援の計画を作ることが制度上求められているからです。つまり保護者が 特性を伝えることは、お願いをすることではなく、お互いの手間を減らす作業でもあります。

この記事では、こども家庭庁の「放課後等デイサービスガイドライン」や運営基準が事業所に求めていることを手がかりに、面談や連絡帳で何を 伝えるとよいかを整理しました。なお本記事は2026年8月時点で公開されている情報に もとづいています。運用には自治体差・ 事業所差があるため、詳細はお住まいの自治体・利用先の事業所にご確認ください。

放課後等デイサービスは、児童福祉法にもとづく通所支援です

放課後等デイサービスは、児童福祉法にもとづく障害児通所支援のひとつで、 平成24年4月に法律上に位置づけられました(児童福祉法第6条の2の2)。対象は就学しているお子さんで、授業が終わったあとや、学校の休業日に通います。

学校でもなく、習い事でもない。計画にもとづいて支援が提供される福祉サービスです。この「計画を立てる」仕組みが、何を伝えるとよいかを考える手がかりになります。

ガイドラインは事業所向け。だからこそ逆算できます

「放課後等デイサービスガイドライン」は現在、こども家庭庁が示しています (前身は、厚生労働省が平成27年4月に策定した版です)。その後に内容が見直されているため、 原文を確認するときはこども家庭庁が公開している最新版をご覧ください。

ここで押さえておきたいのは、このガイドラインが事業所向けの指針だという ことです。保護者向けの章は用意されていません。保護者に関係する公的な様式としては、 こども家庭庁が「放課後等デイサービス自己評価・保護者評価」を 掲載しています。このうち保護者が記入する保護者評価は、 利用している事業所を評価するためのものです。

では保護者には縁のない文書なのか。そうではありません。事業所側に求められていることを知ると、保護者は何を伝えればよいかを逆算できます。 以下はその逆算です。

利用開始までの流れと、保護者が話す相手

似た名前の書類が並ぶので、正式名称とあわせて流れを整理します。

  1. 相談支援専門員が保護者・お子さんと面談する
  2. 障害児支援利用計画案が作られる(大人向けの「サービス等利用計画」とは 名称が異なり、お子さんの場合は「障害児支援利用計画」という名称です)
  3. 市町村が支給決定を行い、通所受給者証が交付される
  4. サービス担当者会議を経て、計画が確定する
  5. 利用する事業所と利用契約を結ぶ
  6. 事業所が個別支援計画(正式名称は「放課後等デイサービス計画」)を作成する

話す相手は二段階です。全体の利用計画を作る相談支援専門員と、通い先での支援計画を作る事業所。同じ話を二度しますが、目的が違うので 無駄にはなりません。

保護者等が自分で計画を作るセルフプランという方法もあります。ただし この場合、相談支援専門員による利用先の調整やモニタリングは受けられないと案内している 自治体が多いようです。セルフプランを選べるかどうか、その場合の支援の範囲は自治体によって運用の差が大きいため、市町村の障害福祉担当窓口で ご確認ください。

放課後等デイサービス計画には、家族の意向を書く欄があります

放課後等デイサービス計画を作るのは、事業所に配置されている児童発達支援管理責任者(児発管)です。運営基準(省令)では、 次のことが定められています。

  • アセスメントを行い、保護者とお子さんが希望する生活や、解決すべき課題を 把握すること
  • 計画について保護者に説明し、文書による同意を得ること
  • 同意を得た計画を交付すること
  • 少なくとも6か月に1回以上計画を見直すこと。見直しにあたっては、 特段の事情がない限り、定期的に保護者とお子さんに面接すること

大事なのは1つ目です。アセスメントは事業所の義務であって、保護者が 完璧な資料を用意しなければ支援が始まらない、という仕組みにはなっていません。そのうえで、 伝わった情報は計画に反映されやすくなる——そういう関係です。

近年の見直しで計画の記載項目は拡充されており、 「利用児と家族の生活に対する意向」「総合的な支援の方針」「長期目標」 「短期目標」「支援目標及び具体的な支援内容」「達成時期」「留意事項」などが含まれます。家族の意向を書く欄が制度上ある、ということです。

さらにガイドラインは、個別支援会議において、こども本人や保護者の意見を聴くことが 求められるとしています。会議に本人と保護者を参加させることや、開催の前に直接 会って意見を聴くことが考えられる、とも書かれています。「意見を言っていい場がある」と 知っておくだけで、面談は少し話しやすくなります。

モニタリング(見直し)は概ね6か月に1回以上ですが、お子さんの状態や家族の状況に変化があった場合は、6か月を待たずに行う必要があるとされています。「次の面談まで待たなければ」と我慢しなくてよい、というのは 覚えておくと役に立ちます。

放課後等デイサービスに特性を伝える項目を、本人支援の5領域で整理する

近年の見直しで、支援内容を本人支援の5領域で 整理する考え方が明確になりました。①健康・生活 ②運動・感覚 ③認知・行動 ④言語・コミュニケーション ⑤人間関係・社会性 の5つです。個別支援計画にはこの5領域との関連性を明記することが 必須になり、児発管のアセスメントもこの5領域の視点で行われます。

ということは、保護者が伝える内容もこの5領域に沿って並べておくと、そのまま計画に 載りやすくなります。

なお、アセスメントシートに国の統一様式はありません。項目や書式は 事業所ごとに違います。「共通のシートがあるはず」と探す必要はなく、手元のメモで十分です。

まず最初に伝えたいこと(優先度の高い順)

  • 呼ばれたい名前
  • 今いちばん困っていること 1〜2つ
  • 今いちばん助かる配慮 1〜2つ
  • 緊急連絡先の優先順位
  • 主治医・服薬の有無
  • アレルギー(除去食・制限食が必要かどうか)

初回はここまでで十分です。以下は、面談やモニタリングの機会に少しずつ足していけばよい 内容です。挙げている例はすべて一般的なもので、特定のお子さんの ものではありません。項目立てだけを借りてください。

5領域+4項目の早見表

領域・項目伝えると計画に載りやすいこと
① 健康・生活生活リズム、睡眠、食事(食べられる形状)、トイレ、体調不良のサイン、 疲れが出たときのサイン
② 運動・感覚苦手な音・光・におい・触感/落ち着くもの。学校で姿勢保持の椅子などの器具を 使っている場合は、その内容をそのまま伝える
③ 認知・行動見通しの持ち方(予定表・タイマー・絵カードなど、これまで有効だったもの)、 苦手な状況とそのときに出るサイン、落ち着く方法、切り替えのコツ
④ 言語・コミュニケーション伝わりやすい伝え方(短く/絵で/選択肢で)、本人のSOSの出し方
⑤ 人間関係・社会性集団への入り方、人数の得意不得意、初対面のときの様子、好きな遊び、 トラブルになりやすい場面
得意・好き・自己理解得意なこと、言われて嬉しかった言葉、本人が自分の特性をどう理解しているか (本人に伝えていること/まだ伝えていないこと)
これまでの経緯・関わっている機関就学前に利用していた支援、現在関わっている機関、学校で受けている配慮 (個別の教育支援計画を共有してよいかどうか)
家庭と本人の希望放課後等デイサービスで大事にしてほしいこと、本人がやってみたいこと。 計画の「利用児と家族の生活に対する意向」欄に直接入る内容です
共有範囲の希望共有してよい範囲/控えてほしい範囲(後述します)

前身の厚生労働省版が挙げるアセスメント情報も、いまなお具体的で参考になります。 障害の状態だけでなく、適応行動の状況、発育状況、自己理解、心理的課題、興味関心事となっていること、養育環境、これまで受けてきた支援、 現在関わっている機関、地域とのつながり、利用にあたっての希望、将来展望。 「困っていること」以外の情報がずいぶん多いことに気づきます。

そして前身の版には、こんな一文があります。

保護者のニーズと子ども自身のニーズは必ずしも一致するわけではないので、子どもの ニーズを明確化していくことがまず求められる。

だから、「本人はどうしたいと言っているか」もあわせて伝えたい情報です。 「本人は〇〇をやってみたいと言っています」「わたしは△△が心配です」——保護者から見た 困りごとと本人の言葉を分けて書くだけで、計画の立て方が変わります。

学校と共有しておきたい配慮の例として、前身の版は姿勢保持の椅子等の器具、身体介助の方法、声かけの方法、パニック時の対応を挙げています。学校でうまくいっている方法があるなら、それを持ち込むのが早い道です。

放デイの面談では何を話す?場面別の早見表

「面談」とひとくちに言っても、場面によって求められている情報は違います。

場面伝えること
見学・初回面談前掲の「まず最初に伝えたいこと」+要点。全部渡さず絞るほうが伝わります
契約時医療・アレルギー・服薬など、安全に関わることを漏れなく
計画の作成前・個別支援会議家庭と本人の希望。意見を聴かれる場であることを知っておく
モニタリング(概ね6か月ごと)変化したこと、うまくいった対応、次の半年に望むこと
変化があったとき(6か月を待たない)体調・服薬・家庭の状況・学校での変化
日々の連絡帳・送迎時「今朝あったこと」の一言。双方向のやりとりとして
進学・移行のとき引き継ぎ用に、内容を更新したものを

一度に全部を渡すと、受け取る側も読み切れません。初回は絞り、あとは機会ごとに 足していく。それで十分です。

連絡帳は「報告を受け取る欄」ではありません

前身の厚生労働省版は、連絡ノート等を通じて、日頃から子どもの状況を保護者と 伝えあい、発達の状況や課題について共通理解を持つように努める、としています。 「伝えあい」——つまり連絡帳は、事業所からの報告を受け取るだけの記録ではなく、双方向のツールとして位置づけられています。

「今朝は寝起きが悪く、機嫌がいまひとつです」という一行があるだけで、その日の 関わり方は変わります。長く書く必要はありません。同版は保護者との定期的な面談(最低限モニタリング時に実施することが望ましい)も挙げていて、日々の一言と定期の面談の両方を想定しています。

現行のガイドラインは、基本理念に「家族支援の重視」を掲げ、 家族のウェルビーイングの向上につながるよう取り組むこと、家族自身が内在的に持つ力を 発揮できるようエンパワメントを前提とした支援をすることを示しています。 社会的責任としても、こどもの家族の意向を受け止め、支援内容について 適切に説明し、相談や申入れに適切に対応することが挙げられています。困っていることを 困っていると伝えるのは、この枠組みのなかにあるごく普通のやりとりです。

学校と事業所で情報がつながりにくいのは、体制の課題です

学校と事業所のあいだで情報がうまく流れていない、と感じることがあるかもしれません。 これは個々の事業所の姿勢の問題ではなく、制度・体制の課題として国の 報告書に整理されています。文部科学省・厚生労働省の 「家庭と教育と福祉の連携『トライアングル』プロジェクト報告」(平成30年3月)は、 次のような課題を挙げています。

  • 放課後等デイサービスについて教職員の理解が深まっておらず、送迎時の情報提供など 学校の協力が得られにくいことがある
  • 学校と事業所でお互いの活動内容や課題、担当者の連絡先が共有されておらず、円滑な コミュニケーションが図れていない
  • 自治体で学校と障害児通所支援事業所の管轄部署が異なるため、必要な支援情報が 双方の現場で共有されにくい

同報告は方策として、個別の支援計画を活用した情報の引き継ぎの仕組みを構築すること、 計画の作成にあたって可能な限り保護者の意見を聞き、反映できるようにすることを挙げています。制度の側も動いていて、平成30年8月の学校教育法施行規則の改正では、 個別の教育支援計画の作成にあたって本人・保護者の意向を踏まえつつ、関係機関等と 必要な情報の共有を図らなければならないと規定されました。

放課後等デイサービスガイドラインの側も、保護者の同意を得た上で、 学校等から個別の教育支援計画をはじめとした情報提供を受け、事業所からも 放課後等デイサービス計画等の情報を提供するなど、積極的に連携を図ることを求めています。 つなぐ経路は制度上用意されていて、その要に保護者の同意がある。 だから、両方の場に足を運んでいる保護者がいちばん自然な「つなぎ役」になれます。 「学校の個別の教育支援計画を共有してかまいません」の一言でも、経路は開きます。

要点を紙にまとめて渡すという方法

面談の時間は限られています。口頭だけだと言い漏らしますし、担当が変わると一から 説明し直しです。そこで、要点を紙にまとめて渡すという方法があります。

これは制度上の義務ではなく、任意の工夫です。ただ、自治体が同じ趣旨の ツールを配っている例があります。札幌市は、保護者が記録・保管する 「サポートファイルさっぽろ」を配布していて、記載する対象に福祉機関 (デイサービスの利用)を含め、活用する場面として「受診や福祉サービスを新たに受ける時」「関わる人が代わる時」を 挙げています。見せ方の工夫として、ページを選んだり、強調したいところをマークする といった案内もされています。全部を毎回渡すのではなく必要なページを選んで渡す——これが実際に運用しやすい形です。

こうしたファイルの有無や名称・様式は自治体によって大きく違うため、お住まいの自治体の 障害福祉・子育ての窓口でご確認ください。様式がなくても、手元のノートやプリント1枚で 始めて差し支えありません。「わたしのトリセツ」も、こうした情報を項目に沿ってまとめ、 必要なときにURLで先生や支援者に共有できるようにするサービスです。

一般的に勧められている書き方の工夫

ここからは公的資料に直接の記載があるわけではなく、支援の現場や関連メディアで一般的に勧められている工夫です。参考程度に受け取ってください。

  • 「ワガママ」「神経質」といった性格の評価になる言葉を避け、実際の行動と、そのときに起きている困りごととして書く
  • 専門用語を使わず、平易な言葉で書く
  • 箇条書きにして、優先度の高い情報から並べる。書きすぎない
  • 声かけは具体的な台詞で書き、そのあとどうするかまで添える
  • 家庭でうまくいっている対応は「ヒント・参考アイデア」として渡し、 現場でどう実装するかは支援者の判断に任せる

最後の点がとくに大切です。家庭と事業所では人数も環境も違います。「家ではこうして います。参考になれば」という渡し方のほうが、実際に使われやすくなります。

共有していい範囲も、あわせて伝える

伝える内容には、診断名や病歴といった、取り扱いにとくに配慮が必要な個人情報 (要配慮個人情報)が含まれます。ガイドラインでも、他の機関に情報提供する際には、あらかじめ文書により保護者の同意を得る必要があるとされています。裏を返せば、保護者が線を引ける、ということです。

  • 学校に伝えてよいこと/控えてほしいこと
  • きょうだいや家庭の事情など、記録に残さないでほしいこと
  • 本人にまだ伝えていないこと(診断名を本人に説明していない場合など)

事業所側の説明・文書同意・計画の交付は省令上定められた手続きですが、書類の渡し方は 事業所ごとに異なります。手元に残しておきたいときは、「計画の写しをいただけますか」と求めてかまいません

なお、服薬・受診・診断についての判断は、この記事の範囲ではありません。気になることが あれば主治医にご相談ください。特定の療育の手法や対応方法をおすすめ するものでもないため、実際の関わり方は事業所の支援者と一緒に考えるのが確かです。

完璧に用意しなくても大丈夫です

最後に、いちばん伝えたいことを書きます。アセスメントは事業所の義務です。保護者が上手に説明できなかったから 支援が受けられない、という仕組みにはなっていません。事業所の側も、お子さんのことを 知りたくて手がかりを探しています。伝えることはお願いではなく、双方が楽になる作業です。

それに、放課後等デイサービス計画は少なくとも6か月に1回以上見直され、変化があった ときには半年を待たずに見直すことになっています。最初の面談で言い漏らしても、 次の機会があります。「呼ばれたい名前」「今いちばん困っていること」 「今いちばん助かる配慮」——この3つだけメモして持っていけば、初回は十分です。

参考にした情報

(各リンクの最終確認日: 2026年8月2日。制度の運用や様式・報酬の基準は改定されることが あります。最新の情報は各リンク先および、お住まいの自治体・利用先の事業所で ご確認ください)

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